海外の国への入国審査で気を付けたいこと
さて飛行機で外国へ着いたら、乗り換えの場合を除いて入国審査があります。日本に帰った時の入国審査は”帰国”ですからすんなり行くことが多いです。外国への到着では国によって異なり、入国審査が大変な場合もあれば簡単に終わる場合もあります。特に観光やビジネスの機会が少ない国の場合は手続きなどが多かったりチェックが厳しかったりします。海外初心者や外国語が苦手な人は、特に注意が必要です。ここでは筆者の経験談に基づいて気を付けたいことを書いていきます。
入国審査とは、そもそも何をチェックしてるんでしょうか
”入国審査”ですからその人を入国させていいかどうかを調べています。主にパスポートのチェックに時間をかけていますね。国によって設備が異なるようですがパスポートの真偽を確認するために機械に通したりライトを当てたり、氏名を読み込んでリストに載っているような人ではないかを確認したり。
また、最近は指紋の登録や顔写真を撮ったりする国が増えました。指紋登録は国や空港によって色々な機器があるようですので指示された通りに登録しましょう。「こっちみて」とか「ここに親指当てるんだよ」とか指示されますのでその通りにしましょう。1.親指を当てる。2.人差し指から小指まで4本そろえて当てる。機械が多い気がします。ほとんど話せないとわかってくれると親指を立てたりして案内してくれることもありますが、できたら直前の人の動きを見てなにをやっているか確認しておくといいですね。国籍が違ったり何回目かの訪問でチェックが異なっていることもあるので数人観察しておくと安心ですね。
指紋認識しない、手汗がひどい、手がカサカサ、とかどうする?
指紋読み込みは、汗かいてるとうまくいかないので拭いてから当てるといいですよ。逆に冬場などで乾燥しすぎててもダメなようです。この場合はハンドクリームなどがあるといいですね。
汗かきの人は指紋を読ませる前にハンカチで拭いてもいいですが、ティッシュのような水分の吸収率のいい物で拭いた方が指紋の読み込みが良くなるようです。緊張して汗べたべたになる人はティッシュでふいた後すぐに読み込ませるようにしてみてください。すごい手汗で拭いてもすぐにべたべたになる人でもティッシュでふいた後、数秒は指紋認識させやすいですよ。一回NGもらうと、どんどん汗かきますよね^^;
入国審査は時間がかかります
自国人と外国人で並ぶ列を分けられていることが多いのは、外国人の場合は時間がかかるからです。国によってビザが必要な人とそうでない人がいるので、ビザが必要な国のパスポートだった場合にはビザの内容も確認します。
入国カードがある国の場合はそこに一通り書いて提出しますが、入国審査官が気になった場合にはその内容について口頭で確認されることもありますのでご注意ください。入国カードについては別記事にまとめたので必要でしたらそちらを参照くださいね。
全く話せず、入国審査できない場合には別室に呼ばれるようなこともあるみたいですね。しゃべれない場合には良く聞かれることを印刷しておいてそれを提示する、ということもできます。また英語が不得意なら文章ではなく、単語で答えるようにしましょう。なんて答えたらいいのか考えてしまったり言いよどむと不審に思われてしまいます。筆者の経験したパターンを以下に書いておきます、参考にどうぞ。
1.観光やビジネスで人の行き来が多い国
パターン1:一番簡単な場合
何の用で来たんですか?
観光です。
※ビジネスの場合は(ビジネスです)でOK
どのぐらいの滞在期間ですか?
一週間です。
わかりました、どうぞ
一番簡単なパターンで、これが最も多いです。国によっては何も聞かれずスタンプ押すだけな事もあります。観光かビジネスかだけ聞かれることもよくあります。
2.観光やビジネスでもそこそこ行く国だけど、ちょっとチェックが厳し目の国
何の用で来たんですか?
観光です。
どのくらい滞在しますか?
1週間くらいです。
宿泊先はどこですか?
ホテル「にゃんでくんパレス」です。
帰りの飛行機は予約してますか?
予約してます。(eチケット見せた方が良いかも)
わかりました、どうぞ
少し厳し目の場合はこのくらいの質問をされることもあります。もっと長い会話だったりしてなかなか聞き取りにくいこともよくありますが、単語で言っていることをよく聞けば上記の内容を聞いていることが多いです。日本のパスポートだとちゃんと帰る人(オーバーステイなどしない人)と認識されるのであまり聞かれることはありませんがあるかもと思っておきましょう。筆者は10回以上は経験ありです。また質問に答えられなくても、相手が何を言ってるかなんとなく聞き取れたらeチケットの控えやホテルの予約確認証などを提示してもいいでしょう。回収されてしまうかもしれないので返してくれって言ってくださいね。
入国カードに記入しておいてそれをパスポートと同時に出す国も多いですね。ビザ取得がある国ならビザ取得の時に多くの情報を提出されられますので入国の時にはそれが反映されたビザをチェックする、という方針が多いと思います。他にレアな質問はお金持ってるかを聞かれたこともあります、スーツ着てなかったのでオーバーステイを疑われたんだと思います。
観光でよく訪れる国だからといって安心できない
世界情勢などもありますが、国が訪問者について不法滞在を防ぎたいという考えがある場合は入国審査が厳しくなります。アメリカやイギリスなども観光などでよく訪れるので問題ないと思われるかもしれませんが入国拒否されることもそれなりによくあります。ツアーなどで団体行動をしていても入国審査だけは個人(家族の場合は同行できることが多い)になりますのでここでの受け答えはシミュレーションして間違えのないように注意しましょう。友達でも基本別々の審査ですよ。(筆者は一度だけ同僚と同時に審査を受けたこともあります(手招きでこい!ってやられたので))
受け答えができなかったり運が悪いと別室で詳しく調べられることもあります。この時はスマホなどの使用が制限されることもあるようです。スマホの中にしか情報がない!となると調べるのも一苦労なので、ホテル情報や航空券(eチケット)は必ず印刷しておきたいですね。
良くある追加質問
有名な観光地なのに「ビジネスできました!」って言うこともあり得ますよね。この場合は入国審査官としては「え?ここにビジネスできたの?」となります。例えば自社の視察、訪問だけ、打ち合わせだけなどが考えられますが、入国審査官からすると(ここで働くの?どんな仕事?)となります。おそらく次の質問は「ここにビジネスで来たって、どんなビジネスなんだい?」でしょう。もしビジネスという回答のあとに追加で何か聞かれそうなときは最初から「Meeting with customers(お客さんと打ち合わせ)」などの理由をすぐに言えるようにしておきましょう。嘘をついたりしたら問題ですので自分に合ったなるだけ簡素な単語で表現してみましょう。
また仕事する場合でビザを取ってきた場合にはその内容を説明できるようにしておいたほうがいいでしょう。
その他注意点
一部入国が厳しい国も存在します。セキュリティ的な意味合いで入国する人を良く確認したり、「帰れないからオーバーステイしてしまう外国人」を制限したりと国によって事情は様々です。「結婚する相手を見つけて居座るつもりだろう」なんて言ってくる失礼な人もいるとか。
出国が厳しい国もあります。主に他国への紙幣やその他現金などの持ち出しを制限しているときに詰問されますね。国によっては持ち込み現金の総額や持ち出し金額、その国の現金は持ち出し禁止など様々な制約があるので事前に必ず確認しておきましょう。両替した場合もその計算書は必ず保管し、出せるようにしておいてください。筆者は現地通貨持ち出し禁止の国で入国審査後に警察官に見える人(本物かはわからない)が抜き打ちチェックをしていて鞄の中を漁られたことがあります。
また過去に行った国によって入国に制限がかけられることもありますし、直前に行った国によっては入国カードが必要なこともあります。
ほかに、入国時に入国カードの半券のようなものをパスポートに挟まれたり渡されたらそれは必ず持っておいてください。出国の時に確認、回収されます。
漫才のような掛け合い?
筆者はアメリカとヨーロッパで経験があります。すごくまじめな質問かと思ってよく聞いていたら冗談のような話だった、というものです。
筆者が実際にあったパターン1
何しに来られたんですか?
観光です
なぜ?
え、えと町を見に来たんです。
本当に??嘘ついてるんじゃないだろうな
ほんとうですけど。。
おいおい、この町に見るとこなんてないよ!わっはっは
筆者が実際にあったパターン2
何しに来られたんですか?
仕事です。
その服良いね、みんなだらしない格好してるけどあんたの服いいね、日本でそれ売ってるの?
え?はい。ありがとう、あなたの服もいいですね。
サンキューー!!
お国柄や入国審査官の性格もあるでしょうけど、こんなこともありますよと言う例です。堅苦しくなくていいですね。ほかにもいろいろパターンがあるようなので面白いのがあったら教えてください。またこういうときはスタンプがちゃんと押されていないこともあるので確認してください。審査官の人たちはスタンプ押したらすばやく閉じて渡してくるので、可能なら手元を見ておいてスタンプがちゃんとついたか確認しておくのがベストです。
アライバルビザ
アライバルビザとは外国に行ったときに入国時に発行してもらえるビザのことです。日本で入手できるようであれば事前に入手しておきたいですが事情によってできないこともあります。国によってアライバルビザしか入手できなかったり、たまたま日本でのビザ発給の設備がなかったりするとアライバルビザにせざるを得なかったりします。基本的には旅行会社に問い合わせて事前のビザ入手ができない場合のみ、と思っておいた方が良いでしょう。そもそもアライバルビザの準備がある国でないといけません。
筆者の知るところではアジアとアフリカなどでアライバルビザを発行している国があります。必要なのは、出国までの宿泊先情報、出国時の航空券(eチケットなど)が手配済みであること、期間、ビザ発行のための手数料など。ビジネスの場合は現地からの招聘状が必要であることが多いです。他には国によってイエローカードも提示する必要があります。銀行の残高証明書が必要なケースもあります(アライバルビザではあまり聞かないですが)。日本国内でのビザの申請の時にも同じような書類が必要ですが外国だと書類に不備があるとリカバーできないので要注意ですね。
一番注意なのは刻一刻と必要なものや手続きの方法が変わることです。1年経たずに手続きが変更になることもあります。旅行直前に必ず旅行会社など経由で必要なものをチェックしておきましょう。アライバルビザの場合は現地でNGを出されてしまうと国に滞在できなくなり強制送還となってしまいます。